最終改正:平成一八年六月二日法律第五〇号
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| (最終改正までの未施行法令) | |
| 平成十八年六月二日法律第五十号 | (未施行) |
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 人事機関(第六条―第十二条)
第三章 職員に適用される基準
第一節 通則(第十三条・第十四条)
第二節 任用(第十五条―第二十二条)
第三節 職階制(第二十三条)
第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件(第二十四条―第二十六条の三)
第五節 分限及び懲戒(第二十七条―第二十九条の二)
第六節 服務(第三十条―第三十八条)
第七節 研修及び勤務成績の評定(第三十九条・第四十条)
第八節 福祉及び利益の保護(第四十一条―第五十一条の二)
第一款 厚生福利制度(第四十二条―第四十四条)
第二款 公務災害補償(第四十五条)
第三款 勤務条件に関する措置の要求(第四十六条―第四十八条)
第四款 不利益処分に関する不服申立て(第四十九条―第五十一条の二)
第九節 職員団体(第五十二条―第五十六条)
第四章 補則(第五十七条―第五十九条)
第五章 罰則(第六十条―第六十二条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員の任用、職階制、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的かつ能率的な運営並びに特定地方独立行政法人の事務及び事業の確実な実施を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。
(この法律の効力)
第二条 地方公務員(地方公共団体のすべての公務員をいう。)に関する従前の法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程の規定がこの法律の規定に抵触する場合には、この法律の規定が、優先する。
(一般職に属する地方公務員及び特別職に属する地方公務員)
第三条 地方公務員(地方公共団体及び特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第二項 に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)のすべての公務員をいう。以下同じ。)の職は、一般職と特別職とに分ける。
2 一般職は、特別職に属する職以外の一切の職とする。
3 特別職は、次に掲げる職とする。
一 就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職
一の二 地方開発事業団の理事長、理事及び監事の職
一の三 地方公営企業の管理者及び企業団の企業長の職
二 法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程により設けられた委員及び委員会(審議会その他これに準ずるものを含む。)の構成員の職で臨時又は非常勤のもの
二の二 都道府県労働委員会の委員の職で常勤のもの
三 臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職
四 地方公共団体の長、議会の議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職で条例で指定するもの
五 非常勤の消防団員及び水防団員の職
六 特定地方独立行政法人の役員
(この法律の適用を受ける地方公務員)
第四条 この法律の規定は、一般職に属するすべての地方公務員(以下「職員」という。)に適用する。
2 この法律の規定は、法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には適用しない。
(人事委員会及び公平委員会並びに職員に関する条例の制定)
第五条 地方公共団体は、法律に特別の定がある場合を除く外、この法律に定める根本基準に従い、条例で、人事委員会又は公平委員会の設置、職員に適用される基準の実施その他職員に関する事項について必要な規定を定めるものとする。但し、その条例は、この法律の精神に反するものであつてはならない。
2 第七条第一項又は第二項の規定により人事委員会を置く地方公共団体においては、前項の条例を制定し、又は改廃しようとするときは、当該地方公共団体の議会において、人事委員会の意見を聞かなければならない。
第二章 人事機関
(任命権者)
第六条 地方公共団体の長、議会の議長、選挙管理委員会、代表監査委員、教育委員会、人事委員会及び公平委員会並びに警視総監、道府県警察本部長、市町村の消防長(特別区が連合して維持する消防の消防長を含む。)その他法令又は条例に基づく任命権者は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律並びにこれに基づく条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、それぞれ職員の任命、休職、免職及び懲戒等を行う権限を有するものとする。
2 前項の任命権者は、同項に規定する権限の一部をその補助機関たる上級の地方公務員に委任することができる。
(人事委員会又は公平委員会の設置)
第七条 都道府県及び地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市は、条例で人事委員会を置くものとする。
2 前項の指定都市以外の市で人口(官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。)十五万以上のもの及び特別区は、条例で人事委員会又は公平委員会を置くものとする。
3 人口十五万未満の市、町、村及び地方公共団体の組合は、条例で公平委員会を置くものとする。
4 公平委員会を置く地方公共団体は、議会の議決を経て定める規約により、公平委員会を置く他の地方公共団体と共同して公平委員会を置き、又は他の地方公共団体の人事委員会に委託して第八条第二項に規定する公平委員会の事務を処理させることができる。
(人事委員会又は公平委員会の権限)
第八条 人事委員会は、次に掲げる事務を処理する。
一 人事行政に関する事項について調査し、人事記録に関することを管理し、及びその他人事に関する統計報告を作成すること。
二 給与、勤務時間その他の勤務条件、研修及び勤務成績の評定、厚生福利制度その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること。
三 人事機関及び職員に関する条例の制定又は改廃に関し、地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること。
四 人事行政の運営に関し、任命権者に勧告すること。
五 給与、勤務時間その他の勤務条件に関し講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告すること。
六 職員の競争試験及び選考並びにこれらに関する事務を行うこと。
七 職階制に関する計画を立案し、及び実施すること。
八 職員の給与がこの法律及びこれに基く条例に適合して行われることを確保するため必要な範囲において、職員に対する給与の支払を監理すること。
九 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
十 職員に対する不利益な処分についての不服申立てに対する裁決又は決定をすること。
十一 前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。
十二 前各号に掲げるものを除く外、法律又は条例に基きその権限に属せしめられた事務
2 公平委員会は、次に掲げる事務を処理する。
一 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
二 職員に対する不利益な処分についての不服申立てに対する裁決又は決定をすること。
三 前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。
四 前三号に掲げるものを除くほか、法律に基づきその権限に属せしめられた事務
3 人事委員会は、第一項第一号、第二号、第六号、第八号及び第十二号に掲げる事務で人事委員会規則で定めるものを当該地方公共団体の他の機関又は人事委員会の事務局長に委任することができる。
4 人事委員会又は公平委員会は、第一項第十一号又は第二項第三号に掲げる事務を委員又は事務局長に委任することができる。
5 人事委員会又は公平委員会は、法律又は条例に基づきその権限に属せしめられた事務に関し、人事委員会規則又は公平委員会規則を制定することができる。
6 人事委員会又は公平委員会は、法律又は条例に基くその権限の行使に関し必要があるときは、証人を喚問し、又は書類若しくはその写の提出を求めることができる。
7 人事委員会又は公平委員会は、人事行政に関する技術的及び専門的な知識、資料その他の便宜の授受のため、国若しくは他の地方公共団体の機関又は特定地方独立行政法人との間に協定を結ぶことができる。
8 第一項第九号及び第十号又は第二項第一号及び第二号の規定により人事委員会又は公平委員会に属せしめられた権限に基く人事委員会又は公平委員会の決定(判定を含む。)及び処分は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定める手続により、人事委員会又は公平委員会によつてのみ審査される。
9 前項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。
(抗告訴訟の取扱い)
第八条の二 人事委員会又は公平委員会は、人事委員会又は公平委員会の行政事件訴訟法 (昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項 に規定する処分又は同条第三項 に規定する裁決に係る同法第十一条第一項 (同法第三十八条第一項 において準用する場合を含む。)の規定による地方公共団体を被告とする訴訟について、当該地方公共団体を代表する。
(公平委員会の権限の特例等)
第九条 公平委員会を置く地方公共団体は、条例で定めるところにより、公平委員会が、第八条第二項各号に掲げる事務のほか、職員の競争試験及び選考並びにこれらに関する事務を行うこととすることができる。
2 前項の規定により同項に規定する事務を行うこととされた公平委員会(以下「競争試験等を行う公平委員会」という。)を置く地方公共団体に対する第七条第四項の規定の適用については、同項中「公平委員会を置く地方公共団体」とあるのは「競争試験等を行う公平委員会(第九条第二項に規定する競争試験等を行う公平委員会をいう。以下この項において同じ。)を置く地方公共団体」と、「、公平委員会」とあるのは「、競争試験等を行う公平委員会」と、「公平委員会を置き、又は他の地方公共団体の人事委員会に委託して第八条第二項に規定する公平委員会の事務を処理させる」とあるのは「競争試験等を行う公平委員会を置く」とする。
3 競争試験等を行う公平委員会は、第一項に規定する事務で公平委員会規則で定めるものを当該地方公共団体の他の機関又は競争試験等を行う公平委員会の事務局長に委任することができる。
(人事委員会又は公平委員会の委員)
第九条の二 人事委員会又は公平委員会は、三人の委員をもつて組織する。
2 委員は、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、地方公共団体の長が選任する。
3 第十六条第二号、第三号若しくは第五号の一に該当する者又は第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者は、委員となることができない。
4 委員の選任については、そのうちの二人が、同一の政党に属する者となることとなつてはならない。
5 委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなつた場合においては、これらの者のうち一人を除く他の者は、地方公共団体の長が議会の同意を得て罷免するものとする。但し、政党所属関係について異動のなかつた者を罷免することはできない。
6 地方公共団体の長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、議会の同意を得て、これを罷免することができる。この場合においては、議会の常任委員会又は特別委員会において公聴会を開かなければならない。
7 委員は、前二項の規定による場合を除く外、その意に反して罷免されることがない。
8 委員は、第十六条第二号、第四号又は第五号の一に該当するに至つたときは、その職を失う。
9 委員は、地方公共団体の議会の議員及び当該地方公共団体の地方公務員(第七条第四項の規定により公平委員会の事務の処理の委託を受けた地方公共団体の人事委員会の委員については、他の地方公共団体に公平委員会の事務の処理を委託した地方公共団体の地方公務員を含む。)の職(執行機関の附属機関の委員その他の構成員の職を除く。)を兼ねることができない。
10 委員の任期は、四年とする。但し、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
11 人事委員会の委員は、常勤又は非常勤とし、公平委員会の委員は、非常勤とする。
12 第三十条から第三十八条までの規定は、常勤の人事委員会の委員の服務に、第三十条から第三十四条まで、第三十六条及び第三十七条の規定は、非常勤の人事委員会の委員及び公平委員会の委員の服務に準用する。
(人事委員会又は公平委員会の委員長)
第十条 人事委員会又は公平委員会は、委員のうちから委員長を選挙しなければならない。
2 委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長の指定する委員が、その職務を代理する。
(人事委員会又は公平委員会の議事)
第十一条 人事委員会又は公平委員会は、三人の委員が出席しなければ会議を開くことができない。
2 人事委員会又は公平委員会は、会議を開かなければ公務の運営又は職員の福祉若しくは利益の保護に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、前項の規定にかかわらず、二人の委員が出席すれば会議を開くことができる。
3 人事委員会又は公平委員会の議事は、出席委員の過半数で決する。
4 人事委員会又は公平委員会の議事は、議事録として記録して置かなければならない。
5 前各項に定めるものを除くほか、人事委員会又は公平委員会の議事に関し必要な事項は、人事委員会又は公平委員会が定める。
(人事委員会及び公平委員会の事務局又は事務職員)
第十二条 人事委員会に事務局を置き、事務局に事務局長その他の事務職員を置く。
2 人事委員会は、第九条の二第九項の規定にかかわらず、委員に事務局長の職を兼ねさせることができる。
3 事務局長は、人事委員会の指揮監督を受け、事務局の局務を掌理する。
4 第七条第二項の規定により人事委員会を置く地方公共団体は、第一項の規定にかかわらず、事務局を置かないで事務職員を置くことができる。
5 公平委員会に、事務職員を置く。
6 競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体は、前項の規定にかかわらず、事務局を置き、事務局に事務局長その他の事務職員を置くことができる。
7 第一項及び第四項又は前二項の事務職員は、人事委員会又は公平委員会がそれぞれ任免する。
8 第一項の事務局の組織は、人事委員会が定める。
9 第一項及び第四項から第六項までの事務職員の定数は、条例で定める。
10 第二項及び第三項の規定は第六項の事務局長について、第八項の規定は第六項の事務局について準用する。この場合において、第二項及び第三項中「人事委員会」とあるのは「競争試験等を行う公平委員会」と、第八項中「第一項の事務局」とあるのは「第六項の事務局」と、「人事委員会」とあるのは「競争試験等を行う公平委員会」と読み替えるものとする。
第三章 職員に適用される基準
第一節 通則
(平等取扱の原則)
第十三条 すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信条、性別、社会的身分若しくは門地によつて、又は第十六条第五号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。
(情勢適応の原則)
第十四条 地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。
2 人事委員会は、随時、前項の規定により講ずべき措置について地方公共団体の議会及び長に勧告することができる。
第二節 任用
(任用の根本基準)
第十五条 職員の任用は、この法律の定めるところにより、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない。
(欠格条項)
第十六条 次の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
三 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者
五 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
(任命の方法)
第十七条 職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命することができる。
2 人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む。以下この条から第十九条まで、第二十一条及び第二十二条において同じ。)を置く地方公共団体においては、人事委員会は、前項の任命の方法のうちのいずれによるべきかについての一般的基準を定めることができる。
3 人事委員会を置く地方公共団体においては、職員の採用及び昇任は、競争試験によるものとする。但し、人事委員会の定める職について人事委員会の承認があつた場合は、選考によることを妨げない。
4 人事委員会を置かない地方公共団体においては、職員の採用及び昇任は、競争試験又は選考によるものとする。
5 人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者とする。以下第十八条、第十九条及び第二十二条第一項において同じ。)は、正式任用になつてある職についていた職員が、職制若しくは定数の改廃又は予算の減少に基く廃職又は過員によりその職を離れた後において、再びその職に復する場合における資格要件、任用手続及び任用の際における身分に関し必要な事項を定めることができる。
(競争試験及び選考)
第十八条 競争試験又は選考は、人事委員会が行うものとする。但し、人事委員会は、他の地方公共団体の機関との協定によりこれと共同して、又は国若しくは他の地方公共団体の機関との協定によりこれらの機関に委託して、競争試験又は選考を行うことができる。
2 人事委員会は、その定める職員の職について第二十一条第一項に規定する任用候補者名簿がなく、且つ、人事行政の運営上必要であると認める場合においては、その職の競争試験又は選考に相当する国又は他の地方公共団体の競争試験又は選考に合格した者を、その職の選考に合格した者とみなすことができる。
(受験資格)
第十九条 競争試験は、人事委員会の定める受験の資格を有するすべての国民に対して平等の条件で公開されなければならない。試験機関に属する者その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別若しくは秘密の情報を提供してはならない。
2 人事委員会は、受験者に必要な資格として職務の遂行上必要な最少且つ適当の限度の客観的且つ画一的要件を定めるものとする。
3 昇任試験を受けることができる者の範囲は、人事委員会の指定する職に正式に任用された職員に制限されるものとする。
(競争試験の目的及び方法)
第二十条 競争試験は、職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。競争試験は、筆記試験により、若しくは口頭試問及び身体検査並びに人物性行、教育程度、経歴、適性、知能、技能、一般的知識、専門的知識及び適応性の判定の方法により、又はこれらの方法をあわせ用いることにより行うものとする。
(任用候補者名簿の作成及びこれによる任用の方法)
第二十一条 人事委員会を置く地方公共団体における競争試験による職員の任用については、人事委員会は、試験ごとに任用候補者名簿(採用候補者名簿又は昇任候補者名簿)を作成するものとする。
2 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿には、採用試験又は昇任試験において合格点以上を得た者の氏名及び得点をその得点順に記載するものとする。
3 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿による職員の採用又は昇任は、当該名簿に記載された者について、採用し、又は昇任すべき者一人につき人事委員会の提示する採用試験又は昇任試験における高点順の志望者五人のうちから行うものとする。
4 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿に記載された者の数が人事委員会の提示すべき志望者の数よりも少いときは、人事委員会は、他の最も適当な採用候補者名簿又は昇任候補者名簿に記載された者を加えて提示することを妨げない。
5 前各項に定めるものを除くほか、任用候補者名簿の作成及びこれによる任用の方法に関し必要な事項は、人事委員会規則(競争試験等を行う公平委員会においては、公平委員会規則。次条第二項において同じ。)で定めなければならない。
(条件附採用及び臨時的任用)
第二十二条 臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員の採用は、すべて条件附のものとし、その職員がその職において六月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式採用になるものとする。この場合において、人事委員会は、条件附採用の期間を一年に至るまで延長することができる。
2 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、その任用は、人事委員会の承認を得て、六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。
3 前項の場合において、人事委員会は、臨時的任用につき、任用される者の資格要件を定めることができる。
4 人事委員会は、前二項の規定に違反する臨時的任用を取り消すことができる。
5 人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、任命権者は、その任用を六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。
6 臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。
7 前五項に定めるものの外、臨時的に任用された者に対しては、この法律を適用する。
第三節 職階制
(職階制の根本基準)
第二十三条 人事委員会を置く地方公共団体は、職階制を採用するものとする。
2 職階制に関する計画は、条例で定める。
3 職階制に関する計画の実施に関し必要な事項は、前項の条例に基き人事委員会規則で定める。
4 人事委員会は、職員の職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない。
5 職階制においては、同一の内容の雇用条件を有する同一の職級に属する職については、同一の資格要件を必要とするとともに、当該職についている者に対しては、同一の幅の給料が支給されるように、職員の職の分類整理がなされなければならない。
6 職階制に関する計画を実施するに当つては、人事委員会は、職員のすべての職をいずれかの職級に格付しなければならない。
7 人事委員会は、随時、職員の職の格付を審査し、必要と認めるときは、これを改訂しなければならない。
8 職階制を採用する地方公共団体においては、職員の職について、職階制によらない分類をすることができない。但し、この分類は、行政組織の運営その他公の便宜のために、組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではない。
9 職階制に関する計画を定め、及び実施するに当つては、国及び他の地方公共団体の職階制に照応するように適当な考慮が払われなければならない。
第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件
(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)
第二十四条 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。
2 前項の規定の趣旨は、できるだけすみやかに達成されなければならない。
3 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。
4 職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。
5 職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
6 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。
(給与に関する条例及び給料額の決定)
第二十五条 職員の給与は、前条第六項の規定による給与に関する条例に基いて支給されなければならず、又、これに基かずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。
2 職員の給与は、法律又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。
3 給与に関する条例には、左の事項を規定するものとする。
一 給料表
二 昇給の基準に関する事項
三 時間外勤務、夜間勤務及び休日勤務に対する給与に関する事項
四 特別地域勤務、危険作業その他特殊な勤務に対する手当及び扶養親族を有する職員に対する手当を支給する場合においては、これらに関する事項
五 非常勤職員の職及び生活に必要な施設の全部又は一部を公給する職員の職その他勤務条件の特別な職があるときは、これらについて行う給与の調整に関する事項
六 職階制を採用する地方公共団体においては、その職に職階制が始めて適用される場合の給与に関する事項
七 前各号に規定するものを除く外、給与の支給方法及び支給条件に関する事項
4 人事委員会は、必要な調査研究を行い、職階制に適合する給料表に関する計画を立案し、これを地方公共団体の議会及び長に同時に提出しなければならない。
5 職階制を採用する地方公共団体においては、給料表には、職階制において定められた職級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。
6 職階制を採用する地方公共団体においては、職員には、その職につき職階制において定められた職級について給料表に定める給料額が支給されなければならない。
(給料表に関する報告及び勧告)
第二十六条 人事委員会は、毎年少くとも一回、給料表が適当であるかどうかについて、地方公共団体の議会及び長に同時に報告するものとする。給与を決定する諸条件の変化により、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができる。
(修学部分休業)
第二十六条の二 任命権者は、職員(臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員を除く。以下この条及び次条において同じ。)が申請した場合において、公務の運営に支障がなく、かつ、当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が、大学その他の条例で定める教育施設における修学のため、二年を超えない範囲内において条例で定める期間中、一週間の勤務時間の一部について勤務しないこと(以下この条において「修学部分休業」という。)を承認することができる。
2 前項の規定による承認は、修学部分休業をしている職員が休職又は停職の処分を受けた場合には、その効力を失う。
3 職員が第一項の規定による承認を受けて勤務しない場合には、条例で定めるところにより、減額して給与を支給するものとする。
4 前三項に定めるもののほか、修学部分休業に関し必要な事項は、条例で定める。
(高齢者部分休業)
第二十六条の三 任命権者は、職員が申請した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が、当該職員に係る定年退職日(第二十八条の二第一項に規定する定年退職日をいう。以下この項において同じ。)から五年を超えない範囲内において条例で定める期間さかのぼつた日後の日で、当該申請において示した日からその定年退職日までの期間中、一週間の勤務時間の一部について勤務しないこと(次項において「高齢者部分休業」という。)を承認することができる。
2 前条第二項から第四項までの規定は、高齢者部分休業について準用する。
第五節 分限及び懲戒
(分限及び懲戒の基準)
第二十七条 すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。
2 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、若しくは免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職されず、又、条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給されることがない。
3 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。
(降任、免職、休職等)
第二十八条 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 勤務実績が良くない場合
二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三 前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合
四 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
2 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反してこれを休職することができる。
一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二 刑事事件に関し起訴された場合
3 職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。
4 職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。
(定年による退職)
第二十八条の二 職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
2 前項の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるものとする。
3 前項の場合において、地方公共団体における当該職員に関しその職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより国の職員につき定められている定年を基準として定めることが実情に即さないと認められるときは、当該職員の定年については、条例で別の定めをすることができる。この場合においては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
4 前三項の規定は、臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員には適用しない。
(定年による退職の特例)
第二十八条の三 任命権者は、定年に達した職員が前条第一項の規定により退職すべきこととなる場合において、その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、同項の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、その職員を当該職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
2 任命権者は、前項の期限又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項の事由が引き続き存すると認められる十分な理由があるときは、条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。ただし、その期限は、その職員に係る定年退職日の翌日から起算して三年を超えることができない。
(定年退職者等の再任用)
第二十八条の四 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等(第二十八条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者又は定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして条例で定める者をいう。以下同じ。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする職に係る定年に達していないときは、この限りでない。
2 前項の任期又はこの項の規定により更新された任期は、条例で定めるところにより、一年を超えない範囲内で更新することができる。
3 前二項の規定による任期については、その末日は、その者が条例で定める年齢に達する日以後における最初の三月三十一日までの間において条例で定める日以前でなければならない。
4 前項の年齢は、国の職員につき定められている任期の末日に係る年齢を基準として定めるものとする。
5 第一項の規定による採用については、第二十二条第一項の規定は、適用しない。
第二十八条の五 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職(当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。第三項及び次条第二項において同じ。)に採用することができる。
2 前項の規定により採用された職員の任期については、前条第二項から第四項までの規定を準用する。
3 短時間勤務の職については、定年退職者等のうち第二十八条の二第一項から第三項までの規定の適用があるものとした場合の当該職に係る定年に達した者に限り任用することができるものとする。
